「仕事ができない人を全員クビにしたら業績はあがるか」という興味深い記事が話題になっていた。
参考ページ:「仕事ができない人」を全員クビにした会社で起きた驚きの結果
その概要と、クビにした結果や懸念されていた点、仕事ができない人と働いて困ること、日本でもこの事例が通用するのかなどなど。
Contents
仕事ができない人をクビにした会社とその経緯
概要
- Netflix(ネットフリックス:動画のストリーミングで現在イケイケな会社)の事例
- 業績悪化の際に資金繰り悪化した
- 人件費削減のため、足を引っ張っている人を全員(社員の3割)を解雇する
- 優秀な人だけを残す(社員の7割)
懸念された点
- 仕事が回らなくなるではないか
結果
- 仕事の質アップ
- 業務スピードアップ
- 理由は、足を引っ張られない分、フォローしなくて良いから
仕事ができない人を全員解雇したあと、Netflixに起きた変化
- 仕事ができない人はいらない
- 普通の人もいらない
- 抜群に能力のある人だけがほしい
てな感じでした。まだ本を読んでないので詳細はわからないけど、分かる気がするなーと。
仕事ができない人全員をクビにすると・・・私がしていた予想
予想その1:働きアリの話と同じでサボるやつが出てくる
働きアリは、2割がよく働き、6割が普通、2割はサボるという話があります。
で、2割のサボるやつを取り除くと、残ったうち2割がサボるようになるというのです。
どうせこの類の話だろう、と思っていたので結論が違ってビックリ。
予想その2:「仕事ができる」は相対評価なのでどっちにしろ「仕事ができない」人は出てくるだろう
「仕事ができる」なんてのは他の人の比べて、という話なので、
働きアリの話同様に「仕事ができない」と評価される人はいるだろう、ということ。
これは言及されていないけど、全員が同じ仕事をするかどうかによって評価が違う気がする。
全員が刺身にタンポポ・・・でなく菊を置くという仕事をしていた場合
菊を正確に置く、早く置く人が「仕事ができる」とされる。
(いらすとやさんでタンポポでなく菊だと知りました・・・)
仕事が分業化されて専門化されている場合
魚を仕入れる人、刺身に切る人、刺身をレイアウトする人、マーケティングする人、タンポポを置く人というように仕事がわかれていると、それぞれの仕事を評価しづらい。
だから「仕事ができない」という評価も出づらいのかも、と思った。
実体験から感じる仕事ができない人のフォローの大変さ
私が所属するチームは各人が別々の仕事に特化している。
そのため、上記の「予想その2」のケースに該当する。
でも「この人・・・」と感じることはある。それはこんなとき。
- 誰かが仕事を探して与えないといけないとき
- 話をしていて言葉が通じないとき
- チームが向いている方向とズレているとき
こんな時に、困ったな・・・と感じる。
誰かが仕事を探して与えないといけないとき
これが一番困るかもしれない。
仕事は与えられるものだと思っている人なのだ。
だから、チームと同じ目的へ向かって仕事をしていたとしても、自分の仕事を効率よくするために工夫したり、別の仕事にシフトしたりしない。
別の誰かが「もう少し効率よくできそうですよ」と方法を提示したり、ノウハウを提供したり調べたりしないといけない。
これがめんどくさい。
話をしていて言葉が通じないとき
これはボキャブラリーの豊富さや知識レベルが違うことが原因で起きる。
「ヤバい」「カワイイ」しか表現がない人と、語彙が豊富な人ではニュアンスの伝え方が異なる。
知識レベルの違いは、例えば全員がデータベースの知識がある場合と1人だけが知識がない場合とか。気分は外国人と話している感じ。
残りの1人に合わせるために、用語をかみ砕いて説明したり、考え方を説いていく必要がある。
仕事をするときに通訳がいるのだ。
話が合う人を学歴の偏差値とか職歴で分類してみれば、同じくらいの人が集まったほうが会話がスムーズに進むはずだと思う。
チームが向いている方向とズレているとき
チームが売上よりも利益をベースにして施策を考えている中で、一人だけ「売上が大事!」とかたくなに考えを変えないみたいな。
もしくは、話の流れから「利益ベースで考えていきましょう」と会議でコンセンサスを取ろうとしているのに、一人だけ「売り上げも大事ですね」とやっぱり言ってくる。
チームのメンバーは、
- ズレた意見を完全に排除して進めようとすると疎外感を与えてしまうのではないか
- そのことでチームの雰囲気が悪くなるのではないか
などと心配をしてしまい、ズレた意見の一部でもくみ取ろうとするのですが、
全員が同じベクトルでいるのとそうでないのでは、やはりパワーが異なる。施策がブレる。
色んな人の意見を聞いて反映させようとすると、凡庸なものしかできあがらないのに似ているかも。
仕事ができない人がいると仕事はスムーズではないのは間違いないけど・・・
なんだか愚痴みたいになってしまうけども、たしかに仕事ができない人がいると仕事はスムーズには進みづらい。
ただ、日本の企業は仕事ができないといっても、大量解雇とかはしない傾向にある。
早期退職者を募集すれば、仕事ができる人から辞めていくし。
仕事ができない人がいた場合には、解雇はしないけどジワジワ追いつめていくような陰湿な感じもある。
個人的には、誰しも特殊能力的な優れた能力は何かしらあると思っている。
私自身、新卒で働いていたときは「仕事ができない」(というかそもそもやる気もない)側だったので、「仕事ができない」とされている人たちでも適材適所かつ得意な仕事を見付けてあげれば、十分に戦力になるのではないかとも思っている。
「それがマネジメントなんじゃねーの?」
「それが人事部や上司の仕事なじゃねーの?」
とも思う。
ただ、Netflixみたいな会社の場合、そんな労力を使うこと自体が手間であるという考えなんだろうけど。
あと、これは私が「自分は仕事ができる側」という前提で書いているけれども、他の人にどう思われているのかはわからない。
私が働いている会社では、周囲から評価を「あなたの評価はこうです」と聞かされる機会がない。
聞いてみたいけど、果たして本音が引き出せるかな?
ただ、聞いてみて評価が今一つだと、殺伐としそうな気もする。
このNetflixの事例が日本の企業にバッチリ合うかとういとかなり疑問ですよねー。
日本でも似たようなことをしたケースがないのか調べてみたいところ。