仕事を選ぶときの基準に「好きなことをする」という人がいます。でも「得意なことをする」という人もいます。どっちがいいのかな?というのを考えていきます。
結論から書くと、得意なことを仕事にした方が良いです。
次点は、仕事の中から得意なことを探す。
好きなことを仕事にできるのは幸せですが、簡単ではありません。
では、そもそも得意なことってどうやって探すのか。
好きなことを仕事にすると何が良くないのか、などを考えてみます。
Contents
得意なことの探し方の2つの手順
得意なことを見付けるといっても難しいものです。新卒就職のときに「自分の長所・短所」「自分の強み・弱み」を分析するようにと言われても、短所と弱みしか出てこなかったことを思い出します。
そんなわけで、得意なことの探し方をご紹介します。いずれも働いたことがある人向けです。
いずれも私の実例です。
ザックリいって2つの手順があります。
- 趣味みたいに個人で取り組んでることから見付ける
- 仕事として取り組んでることから見付ける
1.趣味から得意なことを見付ける
1のケースからいきます。
元々私は営業職でしたがやる気がなかったです。飛び込み営業のための体力はないしすぐ汗だくになるし断られては凹む、とにかく嫌で仕方なかったです。好きなものはネットでテキストサイトとかを読むこと。で、あるサイトで見付けてテキストの面白さに衝撃を受けまして。
自分も文章を書いてみたいなと思ってブログを始めました。そこから文章を作る楽しさ、ウェブサイトを作る楽しさ、集客する楽しさ、を知ったのです。
そして、楽しいだけでなく、順調に読者が増えていき「どうやらこれは他人よりも得意っぽいぞ」ということがわかってきました。結局ブログがきっかけとなって読者の人の会社に転職しました。
その時に言われたことを覚えています。
社長「どんな風に考えて文章書いてる?」
私「誰に読んでほしくて、その人がわかりやすいかどうか、とか考えながらですかね。別に普通のことしかしてません。」
社長「普通っていうけどね、それができない人が多いんだよ。」
これで私は「あ、自分はこういうのが得意なんだな」という確証に変わりました。ただ、誤字や脱字は多いです。でも0のものを80とか90くらいの状態に仕上げるのは速いみたいです。
(誤字や脱字の修正は95くらいの状態を100にするところかなと思っています。)
私は、こうして趣味みたいなものの中から自分の得意なものを見つけ出すことができたのでした。
2.仕事しながら得意なことを見付ける
次に2のケースです。これも私の事例から。
文章を書く系統やウェブ製作の仕事をしていた私でしたが、除々に別の仕事もし始めました。お客さんのサイトのコンサルティング的な仕事です。
自分のサイトでも「ここをこうすれば集客できそう」ということを考えながらやっていたので、経験はあったものの仕事となると未経験です。しかし、やってみるとサクサクできたのです。他人よりも少ない労力と苦労で、そこそこの成果物ができたのです。
私の得意なものが増えました。
そしてデータの分析などもしました。高校では数学が嫌で、文系の道に進んだのですが、データの分析もある程度できるようでした。統計の本を読めば頭が痛くなるような箇所の方が多いです。でも、仮説を立てて検証して改善し、また効果を分析をするのは楽しいし、やりがいも感じました。
そして、あ、これも得意なんだなと感じました。
- 仕事する
- 他の人に感謝されることを探す
- 苦労・労力以上に感謝されて嬉しかったことを探す
こんな具合に「仕事の中から得意なことを探す」のです。
いずれも、他人から感謝されたり褒められたりしたことの中に得意なもの探しのヒントが詰まっています。
自分が得意だと思っていることと、他人から見たときのあなたの得意そうなこと、この2つが違う場合だってあるので、他人からの評価にはしっかり耳を傾けましょう。
他人より遅いもの、苦手なもの、感謝されづらいものは、できる人に任せる
私はなんでもかんでも仕事をするのがベストだとは思っていません。
やらないことを決めるのが仕事だと思っています。
できるだけ短時間で成果を出す。そのためには要らないものはやらない。必要だけどやらなくてはいけないものは、やりたい人や得意な人に任せる。その切り分けをして分配をするのが仕事です。
本来、これは上司などマネジメントをする人がやるべきことですが、平社員であったとしても子の意識をもったり「これやりたいです」「これお願いします」と言うべきです。組織で働くというのは協力して働くということです。
ただ、フリーランスでもこの考えは同じです。フリーならなおさらやらないことを決めるべきです。「これは苦手なのでお受けできません。他の方にお願いした方が値段が安く高品質なものができると思いますよ。」「私はこの仕事がしたいです。得意なのでお任せください。コストパフォーマンスの高いお仕事を保証します。」とこんな具合に言ってのけましょう。
好きなことを仕事にするという考え方の落とし穴
好きなことを仕事にしよう、と考えた場合はドツボにハマる可能性があります。
- 好きだけど得意ではない
- 好きだけど仕事にすると全然稼げない
こんなケースだと、仕事にしてもしんどいことになりがちです。
好きだけど稼げないケースは、スキルや経験が伴わないことが要因であったり、そもそも仕事がなかったり、というものです。
例えば「ゲームが好き」という場合。
現在はプロゲーマーという職種も存在しますが、ゲーム好きでも下手っぴでは仕事になりません。
下手でもできるものとして、YouTuberとなってゲーム実況をするという選択肢もありますが、実況スキルがないとリピーターはできません。
YouTubeが「好きなことで生きていく」と言っていますが、現実は厳しいのです。
任天堂の故・岩田社長の言葉
任天堂の故・岩田社長がドワンゴの川上社長との対談でこんなことを言っています。
岩田氏:
要するに,「自分の好きなことと嫌いなこと――もっと言えば,自分がやりたいこととやりたくないこと――を,自分が得意なことと得意じゃないこととイコールだ」と思い込んでる人が多いです。本当は,それってかなりズレてるのに。川上氏:
ああ,ズレてますよね。岩田氏:
好きじゃないけど得意なこともありますし,好きだけど,実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから,仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると,仕事っておかしくなることが多いんです。4Gamer:
好きだけど得意じゃないこと,ですか。でも,自分でそれを見分けるにはどうすればいいんだろう。岩田氏:
自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり,喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね,「それがその人の得意な仕事なんだ」って話で。逆に,自分的にはすごい努力して,達成感もたっぷりあるのに,周りからは「はあ?」みたいに思われることもあって。それはね,本人が好きだったとしても,実は不得意なことかもしれないんですよ。任天堂・岩田氏をゲストに送る「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」最終回――経営とは「コトとヒト」の両方について考える「最適化ゲーム」より
私が言いたいこともこれと同じです。
「仕事が好きになる」のと「好きなことを仕事にする」のでは違う
- 仕事が好きになるのは、仕事の中から得意なものを見付けた時。
- 好きなことを仕事にできるのは、単に運が良かった時。
です。
- 仕事してみる
- 得意なことを見付ける
- 仕事がちょっと好きになる
こうして、あなたにとって得意なことをどんどん見つけましょう。そして、仕事が好きになると良いなと。
仕事の中から得意なものを見付けると、転職したくなる
- 仕事の中から得意なものを見付け成功する
- 「お、私って仕事できるんじゃね?」と妄想し始める
- 「本当に好きな仕事をしたい」と夢をみる
- 退職して夢への歩もうとする
仕事ができ始めるとこんな風に思い始めるでしょう。でも、好きなことが仕事になるかどうか、転職して成功するかどうかは分かりません。もしも、本当に転職したいのであれば、個人レベルからでも趣味レベルからでも良いので、その「好きなこと」が稼げそうかを実験してみましょう。
▽参考
どうしても転職したいならスカウトのオファーが来るかたしかめよう
また、本当に転職したいなら、実績をアピールして誘ってくれるところを待ちましょう。
リクナビNEXTなどでスカウトを受け付けるようにしておくのです。
それでどの企業からもスカウトオファーが来なければ、転職は上手くいかない可能性が高いです。
スカウトの有り無しで、転職できるかどうかのシミュレーションをしておきましょう。
スカウト系に登録するならリクナビNEXTは必須です。案件数が多い方が有利です。